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★☆★━━━━━ 2006年11月のクリーミーレポート ━━━━★☆★
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おいしさを包んだお菓子
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今月、「クリムとドリムのお菓子をめぐる冒険」では、吉田先生にアップ
フェルシュツルーデルを作っていただきました。薄く薄く伸ばした生地を
使っているのがこのお菓子の特徴ですが、世界各地にこうした「具を生地で
包んだ」お菓子がたくさんあります。そこで、おいしさを具に包み込んだ
お菓子の世界を探ってみました。
●○● そば粉から小麦粉へ、進化を遂げたクレープ ●○●
生地に具を包んだお菓子ーー。さて、あなたは何を連想しますか?
多くの人が思い浮かべるのは、もしかしたらクレープかもしれません。
ご存じのようにクレープはフランスのお菓子。小麦粉と卵、ミルクなどを
用いた生地を焼き上げて、中にさまざまな具を包み込むお菓子です。この
クレープのルーツとされているのが、フランス北西部ブルターニュ地方の
ガレット。小麦粉にそば粉を使い、水と塩だけを入れたシンプルな生地を
焼いて、卵やベーコンを包んだガレットは、ブルゴーニュ地方の人々の主食
として愛されていましたが、17世紀にクレープへと進化を遂げます。
ルイ王朝時代に、使用する粉が小麦粉へと変わり、卵やミルクも使用される
ようになったのです。具の中身も、リンゴに代表されるフルーツからクリーム
などデザート系も登場して、お菓子として食べられるようになりました。
日本でもクレープは大人気ですね。例えば、マリオンクレープ
(
http://www.marion.co.jp/
)のメニューには、チョコレートやジャム、
クリームチーズをはさんだものもあれば、アイスクリームを包んだ冷たい
クレープ、あんこを具として使用した和風のクレープまで盛りだくさん。
クレープが日本でしっかりと定着した証拠です。
クレープのルーツ、そば粉のガレットを食べてみたいなら、本場ブルター
ニュ地方のガレットを提供しているカフェクレープリー ルブルターニュ
(
http://www.le-bretagne.com/j/top.html
)へどうぞ。本場から招いた
フランスの職人が創りあげるガレットで、おいしさを包み込んだ元祖クレープ
の味を堪能できます。
●○● サワークリームを使ったパラチンタ ●○●
クレープに似たお菓子は、ハンガリーやオーストリア、クロアチア、ルー
マニアやチェコにもあります。それはパラチンタ。これらの国を旅行した方
には体験済みという方も多いはず。名称も国によって若干異なり、パラチン
ケ、パラチンカ、パラチンキなどの名前で普及しています。
このパラチンタのルーツはルーマニア地方なのだとか。生地の作り方は
クレープとほぼ同じですが、サワークリームをほんの少々加えるのがパラチ
ンタ風。食べ方としては、チョコレートやくるみを入れ、甘くしていただく
のが一般的です。
ヨーロッパのユダヤ人の家庭で食されているブリンツも、おいしさを包み
込んだお菓子の一種。生地の材料はクレープとほぼ同じですが、違うのが
ベーキングパウダー、ヨーグルトを使っていること。生地を片面だけ焼き上
げて、具を包み、長方形に包んだお菓子なのです。
サワークリームを付けて食されることが多いのですが、クレープのように
ジャムやフルーツを入れてもよし。お肉をはさんでもよし。デザートとして
も軽食としても美味しくいただける一品です。ヨーロッパだけでなく、ロシ
アやウクライナ、北米でも広く愛されているのは、それだけユダヤ人が世界
中に広がり、暮らしているからでしょう。サワークリームを買ったら、パラ
チンタやブリンツ作りにチャレンジしてみるのも面白いですね。
●○● 甘い甘い包み菓子、バクラヴァ ●○●
さて、「クリムとドリムのお菓子をめぐる冒険」でも触れましたが、シュ
ツルーデルのルーツとされるのが、トルコのお菓子、バクラヴァです。新聞
の字が透けて見えるほど薄く伸ばしたバクラヴァの生地は、まさにシュツル
ーデルそのものです。
バクラヴァにはいくつかのタイプがありますが、よく見かけるのが、生地
に溶かしバターを塗って何層にも重ね、ピスタチオやくるみを散らして、さ
らにその上に溶かしバターを塗った何層ものバクラヴァの生地を乗せてサン
ドしたタイプです。生地はだいたい40枚から50枚は重ねるといいますか
ら、非常に手が込んだお菓子といえます。
焼き上げたところでシロップを上からかけて、中に染みこませたら完成で
す。本場で食べるバクラヴァの美味しさときたら! かなり甘みが強いので
すが、ピスタチオやくるみを包んだ生地の食感と、甘い甘いシロップのハー
モニーがバクラヴァの一番の魅力なのです。
チョコレートを包んだバクラヴァの美味しさも格別ですが、チーズやほう
れん草などを包んだスナックタイプのバクラヴァもなかなかのもの。紀元前
8世紀にアッシリア人(メソポタミア=現在のイラクやシリアに住んでいた
人々)の手によって生み出され、オスマントルコの時代にトルコに伝わり、
それがやがてシュツルーデルへと形を変えたなんて、人々の交流がいかに活
発だったかがうかがえます。
パラチンタやブリンツ、シュツルーデルやバクラヴァなど、中に具を包み
込んだお菓子の大きな魅力となっているのが、「外からは具が見えない」
驚きの感覚です。餃子やラビオリ、春巻きと同じように、人々は「開けて
みないとわからない」びっくり箱のような驚きを愛してやまないのでしょう。
文責:三田村蕗子
■□■□■□■□ クリ−ミーレポート by nakazawa □■□■□■□■
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