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★☆★━━━━━ 2005年5月のクリーミーレポート ━━━━★☆★
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ベーグルとドーナツの世界に迫る
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真ん中に穴が空いた独特の形ー。ユニークな形のドーナツとベーグルは、
私たちの食生活にすっかりとけ込んだ食べ物でありながら、意外にも歴史や
成り立ちは知られていません。ということで、今回は個性的なドーナツと
ベーグルの世界を探訪してみます。
●○● オランダ生まれ、ボストン育ちのドーナツ ●○●
ドーナツというと何を思い浮かべますか? オールドファッション?
それともフレンチクルーラー?ハニーディップ?ドーナツのバリエーションは
本当にたくさんありますね。共通するのは、輪っかのようなあの形。
では、ドーナツはその始まりの時、すでに穴が空いていたのでしょうか。
これについては諸説紛々。オランダで生まれた揚げ菓子が、17世紀の
初めにメイフラワー号に乗ったオランダ人の手によってアメリカに伝わり、
それが変形して現在の形になったというのがドーナツのルーツとされていますが、
いまの形を作ったのが誰なのか、いつなのかははっきりしていません。
もっとも有力なのが、メイン州のある家庭で、お母さんが息子の「揚げ
菓子が生っぽい」という不満を解消すべく、中央に穴を空けて揚げてみたー
という説です。まん丸の形よりは、中央をくりぬいて揚げた方が熱が伝わり
やすく、しっかり揚がる、というのはいわば生活の知恵。メイン州のお母さん
以外にも、こうした知恵を駆使して揚げ菓子を作っている人は多かったのでは
ないでしょうか。
ともあれ、ドーナツは大西洋を越えてはるばるアメリカに上陸し、ピュー
リタン(清教徒)たちで栄えた町、ボストンでみるみる広まっていきました。
その担い手がその名もずばり、ピューリタンドーナツなる会社です。その後、
ピューリタンドーナツの手法を取り入れ、まず1950年にダンキンドーナツ
が誕生。次いで、1955年にミスタードーナツが設立されます。ダンキン
ドーナツの創業者とミスタードーナツの創業者とは、奥さん同士が従兄弟と
いう間柄。そう、この2つの会社は、袂を分かった兄弟のような会社なのです。
日本でドーナツが人気を集めたのは、日本が戦後の惨状から復活しつつあった
1950年代前半でした。アメリカを代表する菓子としてドーナツはソフト
クリームと並んで一斉を風靡します。戦後のまだ貧しい時期、ドーナツは
アメリカの豊かな暮らしを象徴する食べ物だったのでしょう。もっとも、
日本にドーナツチェーンとしてミスタードーナツが進出したのは1970年
のことですから、戦後日本にやってきた米軍兵士や政府関係者の手によって
ドーナツがもたらされたと考えられます。
ミスタードーナツの1号店が誕生した翌年にはすぐにダンキンドーナツも
日本に進出し店を開きます。これによって、日本に本格的なドーナツ文化が
形成されていくのです。ただし、ダンキンドーナツは98年に日本から撤退。
ちなみに、米国ではミスタードーナツはダンキンドーナツに買収されて、
いまは存在していません。中国、フィリピン、タイ、台湾にある「ミスド」は
日本のミスタードーナツが運営しているのです。
●○● ベーグルのルーツは馬のあぶみだった!? ●○●
穴が空いた食べ物のもう一つの雄、ベーグルはどんな歴史を歩んできたの
でしょうか。こちらもドーナツ同様、さまざまな説がありますが、オースト
リア生まれという説が最有力。17世紀の後半、ウイーンのパン職人がトル
コの侵略者から国を守ってくれたお礼にと、ポーランドの王様に献上した固
いパンがそのルーツだとされています。王様は馬が大好きだったことから、
彼は感謝の気持ちを馬のあぶみ型にしたのです。
馬のあぶみということは、当時輪っかの形ではなかったということ。
ではどこで穴が空けられたのか。これは残念ながら謎に包まれています。
ところで、ベーグルが「ユダヤ人のパン」と称されるのは、20世紀初頭
にヨーロッパから米国に渡ったユダヤ人がニューヨークで広めたためです。
ニューヨークでは、1910年に300人のベーグル職人がベーグル作りの
技術を後世に伝えようとベーグル組合を設立しました。ベーグルを焼くこと
ができるのは、修行を積んだ職人のみと限定したのでした。ベーグルの本場
はニューヨーク、ユダヤ人のパン、とされるのはそのためです。
それにしても、アメリカのイメージが強いドーナツとベーグルがどちらも
ヨーロッパ生まれだとは…。お菓子やパン作りにおけるヨーロッパの歴史と
伝統、奥深い世界がうかがえます。
●○● 甘さがうれしいドーナツとヘルシーさが持ち味のベーグル ●○●
ドーナツとベーグルの原料を見てみましょう。ドーナツはおわかりですね。
生地の主な原料は小麦粉と砂糖、ドライイースト、バター、卵。生地を発酵
させたら形を作って油で揚げたら出来上がり。熱いうちにグラニュー糖を
まぶすと、ベーシックなドーナツを味わえます。
一方、ベーグルの材料は、小麦粉の中でももっともタンパク質含有量の多
い強力粉と砂糖、ドライイースト。卵や油、バターを使っていません。ヘル
シーで低脂肪、低カロリーなパンと言われるゆえんです。
ベーグル好きを魅了するあの独特の食感は、生地を長時間発酵させ、焼く
前に熱湯をくぐらせるという伝統的な手法のたまもの。「ゆでる」工程が、
もちっとした食感をもたらすわけです。
お菓子であるドーナツはそのままでおいしく食べられますが、ベーグルは
パンなので、さまざまな食べ方が可能。半分に割ってクリームチーズをはさむ
というオーソドックスなスタイルでも、中にサーモンや野菜などをはさんで
サンドイッチにするのも好み次第。プレーンな味だけでなく、ブルーベリーや
セサミ、くるみの入ったタイプもあり、ベーグルと相性の良いクリームチーズ
の種類もずいぶんと増えてきました。食べ方のバリエーションは無数にあります。
食事としてベーグルを、食後のデザートとしてドーナツをー。ヨーロッパ
生まれ、アメリカ育ちのユニークなお菓子で食卓を飾るのも楽しい試みですね。
文責:三田村蕗子
■□■□■□■□ クリ−ミーレポート by nakazawa □■□■□■□■
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