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★☆★━━━━━ 2004年8月のクリーミーレポート ━━━━★☆★

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偉人に愛されたお菓子
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 夏真っ盛りの今月は、世界史に登場する偉人たちがどんなお菓子を愛した
のかを取り上げます。中には、偉人という表現が当てはまらない人物もいま
すが、とにもかくにも、歴史に多大な影響を与えた人物であることは間違い
ありません。そう、これは、クリーミーマガジン版夏休みのレポート!? 

 さて、お菓子の普及や発展の背景には、どんな偉人たちが登場するのか。
とくとご覧ください。

●○● 政略結婚がお菓子を普及させた!? ●○●

 お菓子と歴史上の大人物というテーマで、私がまず思い出すのは、カトリ
ーヌ・ド・メディチとマリー・アントワネットの二人の王女様です。
 イタリアのフィレンツェの大富豪・メディチ家のカトリーヌ・ド・メディ
チは、16世紀にフランスのオルレアン公(後のアンリ2世)に嫁いだ女性。
当時の典型的な政略結婚ではありますが、彼女は、この頃、フランスよりも
遙かに進んでいたイタリアの生活様式をフランスに持ち込み、多大な影響を
与えました。
 もちろん、お菓子も例外ではありません。カトリーヌが専任の製菓職人を
引き連れた結婚したおかげで、イタリア生まれのジェラートがフランスに普
及しただけでなく、マカロン、ビスキュイも伝わり、技術もしっかりと継承
されていったのです。フランス菓子の発展の陰にカトリーヌあり、といって
も過言ではないでしょう。
 食べ物を求める民衆の声に「パンがなければお菓子を食べればいいじゃな
い」という言葉を発したとして有名なのが、フランス革命でギロチンの露と
消えたマリー・アントワネットです。18世紀にオーストリアからルイ16世
の元に嫁いだ時、彼女もカトリーヌ同様、ウィーンから大勢の菓子職人を引
き連れました。フランス菓子は、周辺諸国の食文化が融合した産物というわ
けです。
 ところで、マリー・アントワネットが「パンの替わりにお菓子を」と言っ
た時の「お菓子」が何を意味していたかご存じですか? ケーキではなく、
パンのブリオッシュを指していたのではないかという説が有力なのです。
 バターと卵をたっぷりと使ったブリオッシュは確かにケーキのようなパン。
実際に、ブリオッシュにラム種やフルーツなどをアレンジして、ケーキの材
料として使われることも少なくありません
 さて、アントワネットはどんな意図で「ブリオッシュを」と言ったのか。
本当にお菓子とはブリオッシュのことだったのか。真相は不明ですが、どち
らにしても彼女の言葉が飢える民衆の怒りに火をつけ、その後、フランス革
命は一気に進行していくのです。
 チョコレートの発展には、スペインの二人の王女が貢献しました。フラン
スのルイ13世に嫁いだアンヌ・ド・オートリッシュ王女と、とルイ14世と結
婚したマリア・テレジア王女です。アステカ帝国からスペインに渡ったチョ
コレートがフランスへと広まり、魅惑的な飲み物として広がったのも、彼女
達の結婚のおかげ。政略結婚なくしては、ヨーロッパでのお菓子の普及はな
かったことでしょう。

○● 清朝の女帝、西太后の寵愛を受けた味 ●○●

 東洋にも、お菓子と密接な関係を持つ女王が存在しました。
 映画「ラストエンペラー」の冒頭に登場した、あの西太后です。中国清朝
末期の大権力者であり、50年もの長期にわたり清朝を支配した人物ですが、
そんな彼女が愛したとされるお菓子が、良質のえんどう豆の粉を練りあげ、
くちなしで黄金色に色付けして固めた「豌豆黄兒」。くしなしの黄色い色が
美しく、上品な食感が特徴の、中国版羊羹のようなお菓子といえばいいでし
ょうか。
 中国や台湾に行けば、食べられる店も多いとか。情け容赦なく権力をふる
い、政敵を次々に追い落とした西太后がこよなく愛したお菓子がどんな味な
のか、ちょっと興味津々ですね。

●○● ブッシュ大統領危うし!の場面を作ったお菓子 ●○●

 女性陣ばかりの活躍が目立ちますが、お菓子の世界に影響を与えた男性も
いないわけではありません。
 例えば、ブリア・サヴァランです。17世紀後半から18世紀前半にかけて活
躍したサヴァランは、フランスの司法官ですが、「美味礼賛」を始め、数々
の名著やアフォリズム(気の利いた簡潔な言葉で人生や社会を切り取る表現)
を残し、美食家としても有名でした。その彼の名前を冠したお菓子が、そう、
サヴァランです。
 といっても、彼が作ったわけではありません。著名なパティシェ、オーギ
ュスト・ジュリアンが、イーストを発酵させた生地にラム酒の利いたシロッ
プをたっぷりと染み込ませたお菓子を、希代の美食家にあやかってネーミン
グし、捧げたのです。
 サヴァランが残したきら星のような格言の中に、こんなものがあります。

「新しい料理の発見は、人類の幸福にとって天体の発見以上のものである」

 サヴァランは、人類の幸福に大きく寄与した大人の味のお菓子といえるで
しょう。

 さて、現代に目を向けてみましょう。
 「お菓子と偉人」という表現が当てはまるかどうかは別として、2002年に
、世界の動向に多大なる影響力を持つある人物の行動により、突如として注
目を集めたお菓子がありました。
 プレッツェルです。米国のブッシュ大統領がTVでアメフトの試合を観戦
中に、のどに詰まらせ、あやうく意識を失いそうになったという事件をご記
憶の方も多いでしょう。彼ののどに詰まったのがプレッツェルなのです。
 ドイツ生まれのプレッツェルは、ひもをねじったような形のパンで、パン
屋の紋章にもなっていますが、アメリカではスナック菓子として愛され、フ
ァンが多い一品。ブッシュ大統領もその一人というわけです。

 この一件で、日本では今一つ人気がないプレッツェルを知った、食べてみ
たという人も多かったとか。ブッシュ大統領の貢献度は図り知れませんね!?

文責:三田村蕗子

■□■□■□■□ クリ−ミーレポート by nakazawa □■□■□■□■

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