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★☆★━━━━━ 2004年5月のクリーミーレポート ━━━━★☆★

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シュークリームの歴史といま
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 ケーキの定番・シュークリーム。ケーキショップはもちろんのこと、コン
ビニにもさまざまなバリエーションが登場し、いまや日本人のケーキライフ
には欠かせないアイテムです。

 今月は、日本独自に進化を遂げたシュークリームの歴史といまを探ります

●○● シュークリームはフランス生まれ、横浜育ち!? ●○●

 シュークリームが和製英語であることをご存じの方は多いでしょう。
 シューはフランス語(キャベツのこと)、クリームは英語。フランスでは
シュー・ア・ラ・クレーム、英語圏ではクリームパフと称するお菓子は、日
本では英仏語ミックスの名前が付けられて、オリジナルのお菓子になりまし
た。

 その起源には諸説ありますが、きちんと現在のような形になったのは、16
世紀のことのようです。イタリア・メディチ家のカトリーヌ・ド・メディチ
は、イタリアの料理人を大勢引き連れて、フランスの国王・アンリ二世にお
嫁入りしました。この時に、シュー生地がフランスに持ち込まれ、それが時
を経て、カスタードクリームを詰めたお菓子に成長したというのが通説です。

 では日本にはいつ上陸したのでしょうか。

 答えは幕末から明治にかけて。フランスの菓子職人サミュエル・ペールが
横浜に洋菓子店・横浜八十五番館を開き、在留外国人の間で人気を集めてい
ました。このメニューにシュークリームがあったのではないかという説が有
力なのです。

 というのも、この店となんらかの形で関わりのある日本人が新たに開いた
ケーキ店が、次々にシュークリームを発売していたから。例えば、米津松造
は明治15年に横浜八十五番館のコック、谷戸俊二郎を雇い入れ、明治16年に
神田淡路町に米津風月堂を開き、翌年にシュークリームを売り出しました。

 また、横浜八十五番館で修行をした村上光保が明治7年に麹町に開いたフ
ランス菓子の店・村上開新堂でも、風月堂とほぼ同時期にシュークリームを
売り出したとか。ルーツはやはり横浜八十五番館かもしれません。

 明治も後半に入ると、シュークリームは確実に日本に広がり、明治30年代
に作家の村井弦齋が上梓した料理小説「食道楽」には、シュークリームの文
字が登場します。この頃には、すでにシュー・ア・ラ・クレームは、日本独
自のシュークリームへと変貌を遂げていたわけです。

 ちなみに、サミュエル・ペールは明治16年に帰国したとか。もし、いまの
日本のシュークリームの世界を見たら、どのような感想をもらすのでしょう
か。

●○● 大衆化したシュークリーム ●○●

 明治後半の頃のシュークリームの値段は1個約4銭。1銭で10kgの白米が
2つも買えた時代ですから、シュークリームがいかに高級品だったかがよく
わかります。

 しかし、そんな高級品のシュークリームは今ではすっかり大衆化し、価格
も庶民的になりました。バリエーションもずいぶんと増えています。シュー
生地を細長く焼き上げて上にチョコレートをかけたエクレア、小さなプチシ
ュー、プチシューに飴がけをしたクロカンブッシュ、大きなリング状のシュ
ーにプラリネクリームをはさんだパリブレスト…。これらがシュークリーム
の正統派だとすれば、異色派、日本独自派といえるのが、抹茶やごまをクリ
ームに使ったタイプやアイスクリームを入れたタイプ。あんぱんを創り出し
た日本の食文化ならではのアイデアです。

 ところで、シュークリームの大衆化を見る時にはずせない存在の一つが、
洋菓子のヒロタ(http://www.the-hirota.co.jp)ではないでしょうか。1924
年(大正13年)に創業したヒロタは、25年ほど前から、シュークリームを1
パック4個入りで売出し、大衆のおやつに変貌させました。

その後ヒロタのシュークリームは1パック4個入りの形態は変わらないものの、
味は「現代」を意識して、小豆や抹茶をクリームにアレンジしたり、プリン味
のカスタードクリームにしたりと、新趣向の商品もたくさん。シュークリーム
の大衆化に手を貸したヒロタは、「おやつとしてのシュークリーム」に現代性
を加味してチャレンジを続けているのです。

 そして、あるシュークリームがその新しさでファンをつかみました。
ビアードパパ(http://www.muginoho.com/beard_papa/index.html
のシュークリームです。

 シュー生地をパイ仕立てにして、サクサクとした食感を打ち出したビアー
ドパパの店には、行列ができ、大ブームに―。ビアードパパはお菓子の定番
シュークリームにもまだ開発の余地があることを教えてくれました。今年に
入ってから、ビアードパパはニューヨークにも進出しています。NYっ子の
支持を集めることができるのか、期待したいものですね。

●○● ユニークなシュークリーム専門店 ●○●

 シュークリームの無限の可能性を示す店はほかにもあります。例えば、東
京・練馬区にあるかたばみ屋。文字通り、シュークリームだけの専門店で、
スタンダードなアイテムから、フルーツたっぷりのもの、豆腐やこんにゃく
などヘルシーな素材を使ったものまで、その種類はなんと30種類以上にも及
びます。

 関西の専門店クレーム デ ラ クレーム(http://www.cremedelacreme.co.jp/
も見逃せません。やはり30種類と豊富ですが、この店の面白い点は、
カスタードクリームのコクや風味が微妙に異なる正統派のシュークリームが
3種類揃っていること。シュークリームの奥深さを感じさせてくれるお店です。

 動物の形になぞらえたアイテムが多いのも、シュークリームならではの魅
力でしょう。白鳥の形はすでにおなじみですが、老舗のルコントで発売して
いる可愛いネズミの形のシリーズには長年のファンがついています。新しい
ところでは、プランタン銀座に入っているミルグラースのカエルシュークリ
ームも大人気。パティシェの手による一つ一つ表情が違うカエルの顔はなん
ともユーモラスです。味といい、形といい、シュークリームはやはりお菓子
の王様の一人であることは間違いありません。

 

ルコントの人気シュークリーム2点。右がネズミの形のスウリー。
左はスワン。どこから食べたらいいのか迷うほど愛らしい形だ。
価格はともに367円
文責:三田村蕗子

■□■□■□■□ クリ−ミーレポート by nakazawa □■□■□■□■

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