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cream-dreams.com_クリーミーマガジン_2003/8号
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プリンの変遷
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日本人が好むデザートはいろいろありませすが、プリンが5本の指に入るこ
とはまず間違いないでしょう。どんな洋菓子店でも定番として扱っているし、
コンビニでも必須アイテム。本格派から、インスタントプリンの素までプリ
ンのバリエーションは本当に豊富です。
今回は、日本独自のデザートとして確固たる地位を占めるに至ったプリンの
歴史を紹介しましょう。
●○● プディングがプリンに聞こえた!? ●○●
お菓子好きの人なら、プリンの正式名称がプディング(pudding)であるこ
とはご存じでしょう。プディングの始まりは、英国で生まれた蒸し焼きにし
たお菓子でした。「濡れて柔らかいもの」を意味するpuddingは、蒸し焼き
にした出来上がりの状態を表しているわけです。
一説によれば、プディングは15世紀の英国の大航海時代に「船上での保存食」
として誕生したとか。材料としてはパン屑や小麦粉、レーズン、ナッツなど
普段台所にころがっているものを使っていたそうです。日本人にとってのプ
リンの代名詞でもある卵とミルクを使ったカスタードプディングは、数ある
バリエーションの一つなのです。
プディングは日本には明治時代半ばに伝わりました。名称の変化については、
プディングという音が、日本人の耳には「プリン」と聞こえ、プリンとして
定着したという説が有力です。
西洋伝来のお菓子として日本に登場したプリンでしたが、これを口にできた
のは上流階級の人や、一部のハイカラ志向の人たちに限定されていました。
時を経て、第一次大戦が終わっても、プリンは贅沢品の域にとどまり、大衆
化するのはずっと先のお話です。
●○● 固めて作るお手軽プリンの素誕生 ●○●
それを変えたのが、1964年にハウス食品(
http://www.housefoods.co.jp/
)
から発売された粉末インスタントプリンの素「プリンミクス」です。粉をお
湯で溶いて型に入れて冷やすだけという手軽さ、プルプルとした舌触り、口
当たりの良さが相まって、この商品は売れに売れ、大ヒットを記録。いまも
ロングセラー商品として発売されています。「プリン」のパイオニアともい
えるでしょう。
同じ年には、「プリンミクス」に続いてライオンから「ママプリン」も発売
されました。作り方は同じですが、味には微妙な違いがあって、子供たちの
間では「プリンミクス」派、「ママプリン」派に分かれていたようです。
その後、ハウス食品からは、牛乳を使って作る「プリンエル」も発売されま
す。「プリンミクス」よりも本格派を目指す人向けという位置づけでしょう
か。
インスタントプリンの素の発売で、庶民のデザートと化したプリンの人気を
さらに高めたのが、1972年にグリコ乳業(
http://www.glico-dairy.co.jp/
)
から発売された「プッチンプリン」です。
カップの底の突起をプチッと引くと、プリンがカップからつるんと出てくる
というあの仕組みに子どもたちは大喜び。絵に描いたような、キャラメルが
上にキレイに乗った卵色のプリンがすぐに食べられるのですから、これはも
う、あの独特の仕組みとツルッとした食感、そしてネーミングの勝利です。
「プリンミクス」発売から約40年が経過したいまも、プリンの人気はとどま
るところを知りません。コンビニをのぞくと、ゴマプリンあり、イチゴプリ
ンあり、と味の種類はさらに増え、プリンの人気は他の世界にも及んでいま
す。プリンパン、プリンシェイク、プリン大福等々。思うに、プディングで
はなく、プリンという言葉が良かったのでは? ぷるぷるとした形状や口当
たりにうってつけの音の響き―。日本人の英語聴力(?)がプリンの人気を
後押ししたのではないでしょうか。
●○● プリンの歴史を変えた? モロゾフとパステル ●○●
プリン好きの国民性を反映してか、ケーキショップはどこもプリンに力を入
れています。しかし、昭和の時代に一世を風靡したプリンを一つだけ挙げる
とすれば、モロゾフ(
http://www.morozoff.co.jp/
)が1962年に発売したカス
タードプリンです。
最初は本社ビル内の喫茶店で出していたに過ぎませんでしたが、カスタード
プリンを注文する客があまりに増えたため、モロゾフは1968年から工場生産
に乗りだし、お店でプリンを発売するようになりました。ガラスの容器に入
ったプリンはその大きさからファンの間では「デカプリン」という愛称で呼
ばれていたといいます。それほど画期的な大きさだったのです。
80年代に入ると、野菜を使ったプリンの種類が広がり始め、中でもパンプキ
ンプリンが人気を集めました。コクのある味と食感がヘルシー志向を背景に
女性の支持を獲得したのです。
平成の時代に入ると、プリンの世界に大きな影響を与えた一つの商品が誕生
しました。94年(平成6年)にパステル
(
http://tomato.chitaka.co.jp/20original/21pastel/f_pastel.html
)
が発売した「なめらかプリン」です。
型から出さずにスプーンですくって食べるこのプリンは、これまでのプリン
と原料に大きな違いがありました。プリンの基本材料は卵と牛乳ですが、パ
ステルでは卵黄だけを使い、生クリームを加えて焼き上げています。だから
、クリーミーでコクのある味が楽しめるわけです。
「なめらかプリン」の出現以降、同じようなタイプのプリンが続々と登場し、
コンビニで売っているプリンもその影響を受けています。かといって、なめ
らかプリン一辺倒になっていないのが、プリンの世界の奥深いところ。地元
の特産品や名産品を生かしたご当地プリンが続々と誕生し、ユニークなプリ
ンが次々と生まれています。トルコのシュトラッチ(ライスプリン)、中国
のマンゴープリン、ライチプリンのような海外のプリンの存在も知られるよ
うになりました。
9月30日まで東京・池袋のテーマパーク・ナンジャタウン
(
http://www.namco.co.jp/tp/index.html
)で「プリン博覧会」が開催されて
いるのも、プリンの絶大なる人気があるからこそ。プリンの進化にこれから
も期待したいものです。
クリーミーな味わいで人気の高いパステルの「なめらかプリン」(左=280円
)と「なめらかキャラメルプリン」(右=280円)。
ナンジャタウンで開催中の「プリン博覧会」で購入したユニークご当地プリ
ン3種。長野「高原シェフ いちごとチーズプリン」(上=280円)、箱根「
ビールプリン」(右下=200円)、金沢「ごまみそプリン」(左下=300円)。
文責:三田村蕗子
■□■□■□■□ クリ−ミーレポート by nakazawa □■□■□■□■
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