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cream-dreams.com_クリーミーマガジン_2003/5号
★☆★━━━━━ 今月のクリーミーレポート ━━━━★☆★
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初夏のフルーツとお菓子の甘い関係
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ゴールデンウィークも終わり、季節はこれから夏へとまっしぐら。
汗ばむ日もずいぶんと増えてきました。こんな時期に私たちの目を楽しま
せてくれるのが、果実売り場に並ぶ初夏のフルーツと、それらをアレンジ
したお菓子です。
今回は、夏を感じさせてくれるフルーツとお菓子の甘い関係をクローズ
アップしてみましょう。
●○● 異国情調漂うフルーツ びわ ●○●
初夏のフルーツと言った時、あなたは何をイメージしますか。答えは人それ
ぞれでしょうが、多くの人が挙げるのが、びわやサクランボ、オレンジの類
ではないでしょうか?
とりわけ、びわは季節性の高いフルーツです。年間を通して入手が可能にな
ったとはいえ、多く出回るのは5月の下旬から6月下旬にかけての一時期だ
け。
そんなびわを使ったお菓子をリサーチしてみると、意外なことにびわを焼き
込んだケーキが実に少なく、ゼリー、ムースといったクールデザートばかり。
中でも多いのがびわを丸ごと一個使ったゼリーです。びわの味を堪能する
効果的な方法がゼリーなのかもしれません。
ところで、びわの生産量が日本一の県をご存じですか。果物の宝庫である山
梨でもなければ、岡山でもない。答えは『長崎県』です。
びわは150年ほど前に中国から唐船に乗って長崎に伝わり、日本での栽培が
始まりました。長崎の漁港・茂木町を中心に栽培されるびわ「茂木びわ」は、
びわの中でももっとも甘く上質な品種と評されています。
この茂木びわを使ったお菓子として全国的に有名なのが、
茂木一まる香本家
(http://www.biwajelly.co.jp/)の「茂木ビワゼリー」。茂木びわをゼリ
ーの中に包み込んだこのお菓子は、茂木びわのおいしさを最大限に引き出し
てくれます。
また、茂木一まる香本家では、カットしたびわを入れて焼き上げた「びわか
すてら」も作っています。カステラは400年以上も前にスペインから長崎に
伝えられたお菓子。中国から伝わった果物とスペイン伝来のお菓子との組み
合わせ。びわとは、長い歴史と異国情緒が集約された果物なのです。
●○● さくらんぼのクラフティとキルシュトルテ ●○●
6月に旬を迎えるさくらんぼは、世界中に1000種類以上あると言われていま
す。正式な名称は西洋実桜。原産国は『トルコ』です。
日本のさくらんぼの代名詞といえば佐藤錦(さとうにしき)ですが、佐藤錦を
始めとする国産のさくらんぼは値段が高めで、お菓子に使われるケースは少
ない。よく利用されるのは、米国産のさくらんぼ(チェリー)や缶詰、冷凍
ものでしょう。
さくらんぼを使ったお菓子の中でよく知られているのが、さくらんぼのクラ
フティです。クラフティとは、卵、生クリーム、牛乳、小麦粉を混ぜて焼い
たもの。材料はクレープとまったく同じです。
このクラフティの発祥の地であるフランスのリムーザン地方では、ブラック
チェリーを使うのが一般的。桃やブドウのクラフティもありますが、そもそ
もクラフティとはチェリーを使ったケーキのこと。タルト型に生地を流し込
み、チェリーをぽんぽんと入れて焼き上げるクラフティこそ、本物のクラフ
ティというわけです。
もちろん、ブラックチェリーだけでなく、日本産のさくらんぼを使っても
OK。焼きプリンともクレープともパンとも違う独特の生地の食感とさくら
んぼの酸味がマッチしたクラフティは、簡単でいながら本格的な出来映えです。
さくらんぼを使ったケーキの代表選手には、シュバルツバルダー・キルシュ
トルテもあります。「黒い森のさくらんぼケーキ」という意味のドイツ語で、
もちろんドイツ生まれのケーキです。
ココア生地(あるいはチョコレート生地)にキルシュ(さくらんぼのお酒)
を染み込ませ、生クリームとさくらんぼを交互にサンドしたケーキは、ナイ
フと入れると、黒と白、赤のコントラストが本当に美しい。
ちなみにトルテとは、円形のケーキを放射状に切ったものを指すそうです。
日本と同じ切り方なんですね。
●○● ジューンブライドにニューサマーオレンジ ●○●
最後に取り上げるのが、宮崎県の特産品であるニューサマーオレンジ。日向
夏、小夏と呼ばれることもあるこの柑橘類は、5月から6月が旬。りんごの
ように皮をむいて食べることができる上に、香りがなんとも清々しいニュー
サマーオレンジは以前よりもずっと手に入りやすくなりました。
オレンジを使ったケーキはたくさんありますが、やはりここはマドレーヌを
取り上げたいもの。レモンを使ったマドレーヌも美味しいけれど、オレンジ
の風味が効いたマドレーヌもまた格別。初夏の訪れを痛烈に感じさせるニュ
ーサマーオレンジを使ったら、いつもひと味違うマドレーヌに仕上がること
でしょう。
チーズとの相性がいいのもニューサマーオレンジの特徴の一つ。クリームチ
ーズとニューサマーオレンジを使ったムースを扱うケーキショップが増えて
きたのはうれしい限りです。このほか、オレンジピールにチョコレートをコ
ーティングしたお菓子もすっかりポピュラーになりました。
オレンジを使ったケーキには、「オランジェリー」という名前がよく付けら
れていますが、この「オランジェリー」とはフランス語でオレンジ栽培用の
温室を指します。オレンジのフランス語である「オランジュ」よりも、
「オランジェリー」とした方が響きが良いということもあるのでしょうか。
ところで、フランスではオレンジは「結婚」を象徴するフルーツとして親し
まれています。ジューンブライドのシーズンに旬の時期を迎えるオレンジは、
幸福を招き入れるフルーツとして長く愛され、お菓子に使われてきたので
しょう。
文責:三田村蕗子
■□■□■□■□ クリ−ミーレポート by nakazawa □■□■□■□■
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