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cream-dreams.com_クリーミーマガジン_2002/12号
■□■□■□■□ クリーミーマガジン by nakazawa □■□■□■□■
12月に入り、カレンダーも残り一枚となりました。
ネオン輝くイルミネーションに飾られた街を歩けばもう気分はクリスマス。
何となくすこし嬉しくなってきますね。
そこで今回のクリーミーマガジンのテーマは「クリスマスケーキの変遷」
子供の頃の懐かしいクリスマスケーキをちょっと思い出して頂ければ幸いです。
★☆★━━━━━ 今月のクリーミーレポート ━━━━★☆★
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<クリスマスケーキの変遷>
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街を歩けば、クリスマスのディスプレイが目に飛び込み、耳にはおなじみ
のクリスマスソングが聞こえてくる―。そんな心躍る季節が到来しました。
そして、クリスマスといえば何といっても絶対に食べたいのがクリスマス
ケーキです。このクリスマスケーキ、毎年変わらぬスタイルを保っているか
のように見えますが、時代を追っていくと、少しずつ移り変わっています。
今月は、クリスマスケーキの歴史をひもとき、時代時代のクリスマスケーキ
を紹介しましょう。
●○● クリスマスケーキは平和の象徴だった!? ●○●
クリスマスケーキが、イブの日には欠かせない菓子となったのはいつ頃か
らなのでしょうか。調べてみると、それは昭和20年代の後半にさかのぼりま
す。昭和27年(1952年)に、砂糖と小麦粉の陶製が解除されたのを機に、洋
菓子業界は息を吹き返しました。それまでは、戦後の食糧難が尾を引き、お
菓子を作ろうにも材料がない、そんな時代だったのです。
必要な材料が確保できるようになった洋菓子業界は、冷蔵ショーケースや
冷蔵庫の普及にも支えられて、ショートケーキやモンブラン、シュークリー
ムなどさまざまなケーキを一般家庭に定着させていきました。美しく飾った
クリスマスデコレーションケーキもその一つですが、これを最初に作り出し
たのは不二家(
http://www.fujiya-peko.co.jp/
)だと言われています。
不二家は、明治43年にはプラムケーキを砂糖衣で飾り、銀玉をつけたシン
プルなクリスマスケーキを作っていました。当時は、こうしたシンプルなク
リスマスケーキが主流だったのです。その後、苺が乗ったショートケーキタ
イプのクリスマスデコレーションケーキを造り、売り出しました。日本のケ
ーキの歴史を考える上で、不二家は欠かせない存在なのですね。
昭和28年(1953年)に開始されたテレビ放送の力も見逃せません。クリス
マスケーキのある食卓をビジュアルで伝えるテレビの普及が、クリスマスケ
ーキを全国津々浦々に広めていきました。昭和27年〜昭和30年代のこの時代
は、日本が戦後の焼け跡から復旧を遂げ、徐々に豊さを取り戻し始めた時期
に当たります。クリスマスケーキは平和な日本の象徴と言うと大げさでしょ
うか。
●○● 高級品のアイスクリームタイプ登場 ●○●
昭和40年代に入ると、スポンジとバタークリームで飾り付けたクリスマス
ケーキに、新たなライバルが登場します。同じデコレーションでもアイスク
リームで飾り付けしたアイスクリームデコレーションケーキです。夏の風物
詩・アイスクリームで出来たケーキを、寒さ厳しいクリスマスに食べる―と
いうのは、いわば究極の贅沢。日本人の暮らしがそこまで豊かになった証か
もしれません。
ところで、この頃のアイスクリームデコレーションケーキがいくらだった
か、ご存じですか。大中小がそれぞれ、1000円、700円、500円前後。当時の
サラリーマンの初任給の平均が2万3000円だったことを考えれば、かなりの
高級品ですが、それでも爆発的に売れました。クリスマスは、その頃すでに
お正月と同じく、「1年のうちでも特別の日」の仲間入りを果たしていたの
です。
余談ですが、日本アイスクリーム協会(
http://www.icecream.or.jp/
)が
設立されたのがちょうど昭和41年。ドライアイス付きのアイスクリームデコ
レーションケーキの人気は、この協会のPRとサポートの力も大きかった
ようです。
●○● 進化を遂げるクリスマスケーキ、でも定番は…? ●○●
昭和40年代前半に一斉を風靡したアイスクリームデコレーションケーキの
時代は、そう長くは続きませんでした。昭和40年代後半に入ると、人気は一
気に減速してしまいます。
もちろん、いまでもアイスクリームタイプのクリスマスケーキを販売する
店はあり、固定ファンも少なくありません。しかし、クリスマスケーキの主
役は、再びスポンジ+クリームスタイルに戻ります。
ただし、その中味は確実に進化を遂げました。昭和40年代半ばからは、本
格的なフランス菓子が人気を集め始め、バタークリームではなく、生クリー
ムを用いたデコレーションが当たり前となり、デコレーションの技術も大幅
にアップしました。この流れに貢献したのが、昭和43年(1968年)に日本で
初めてフランス人としてフランス菓子専門店を開業したアンドレ・ルコント
氏であり、さらに昭和45年(1970年)に渡仏し、数々の菓子コンクールで賞
を総なめにした後、昭和48年(1973年)に帰国してフランス菓子店
「ブールミッシュ」を開いた吉田菊次郎氏(
http://www.kikujiro.jp/
)です。
70年代半ばを過ぎると、マジパン細工、アメ細工など高い技術を駆使した
華麗なデコレーションケーキが増え、クリスマスケーキにもその流れが反映
されていきました。ちなみに窯出しパイカスターで行列が絶えない「ガトー
・ド・ボワイヤージュ」は、「ブールミッシュ」の焼き菓子専門店。伝統的
なフランス菓子の技法を用いたフルーツたっぷりスウィートで人気の
「デザートファクトリー」は「ブールミッシュ」の新ブランド。時代を読む
吉田菊次郎氏の目と技術はいまも高い評価を受けています。
昭和50年代半ばになると、甘いフランス菓子への反動もあるのでしょう。
健康志向が強まり、甘さを控えたり、ムースを土台に使ったりといった軽い
口当たりのクリスマスケーキが登場します。また、バレンタインのチョコレ
ートやトリュフといったチョコレート菓子の人気を背景に、チョコレートで
デコレーションしたクリスマスケーキのバリエーションも増え始めます。
その後も、クリスマスケーキは通常の時期のケーキの流行を反映していく
わけですが、いま注目を集めているのは、人気パティシェが作る限定のクリ
スマスケーキ。モンサンクレール(
http://www.ms-clair.co.jp/
)の辻口博
啓氏、パティシェイナムラショウゾウの稲村省三氏、ル・パティシエ・タカ
ギの高木康政氏が代表的なところでしょうか。彼らが作るクリスマスケーキ
は予約後すぐに完売になるほどの大人気です。
この先クリスマスケーキはどのように進化していくのでしょうか。予想は
容易ではありませんが、苺を乗せたショートケーキタイプのクリスマスケー
キが一番の人気アイテムであることだけは間違いなさそう。チョコレートケ
ーキや薪型のブッシュドノエル、ムースタイプなどどんなに新種が登場して
も、昔も今も変わらぬ人気なのはやはりこのタイプ。日本ならではの定番ク
リスマスケーキなのです。
文責:三田村蕗子
■□■□■□■□ クリ−ミーレポート by nakazawa □■□■□■□■
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