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cream-dreams.com_クリーミーマガジン_2002/11号
■□■□■□■□ クリーミーマガジン by nakazawa □■□■□■□■
11月に入り、皆様はお元気にお過ごしのことと存じます。
初雪の便りもきかれ、いよいよ冬間近を予感させられます。
今回のクリーミーマガジンは芸術の秋に因んで作成させて頂きました。
みなさんの"豊かな「食」生活の創造"に少しでもお役に立てれば幸いです。
★☆★━━━━━ 今月のクリーミーレポート ━━━━★☆★
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<映画に見る印象的なお菓子のシーン>
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映画の中には、たくさんの食のシーンが登場します。フランスの美食家、
ブリア・サヴァラン(Anthelme Brillat=Savarin)の「君の食べているもの
を言ってみたまえ。君がどんな人間か当てて見せよう」という言葉通り、何
をどのように食べるかを描くことで、そのキャラクター像はより鮮明に浮き
上がります。映画に食のシーンがつきものなのは、当然かもしれません。
鑑賞の秋にふさわしく、今月は映画の中の食、中でもお菓子やデザートに
スポットを当てて、印象的なシーンを紹介します。
●○● キャラクターにマッチしたデザートとその食べ方 ●○●
一つのデザートが主人公の個性を見事に描いた映画といえば、最近ではな
んといっても「アメリ」(原題=Le Fabuleux Destin D'Amelie Poulain)で
しょう(http://www.amelie-movie.com/)。オドレイ・トトゥ演じる内気な
パリジェンヌ・アメリを主人公に据えたこの映画の冒頭では、アメリの好き
なモノ、コトが紹介されます。その一つが、クレーム・ブリュレのカリカリ
になった焼き目をスプーンで壊すこと。クレーム・ブリュレは、卵と砂糖、
生クリームを混ぜ合わせバニラビーンズを加えて、オーブンで焼いたデザー
トですが、うまくできると表面のカラメルがカリカリになります。ここをス
プーンでカリカリ言わせて食べることに快感を覚えるというアメリの嗜好は
、後で描かれるアメリの不思議な行動にうまくマッチしていました。この映
画を見た後、クレーム・ブリュレを食べたくなった、という女性も多かった
ようです。
ところで、このクレーム・ブリュレが日本で大流行したのは、90年代前半
のこと。ティラミスを皮切りに、ナタデココ、パンナコッタ、クレーム・ブ
リュレが次々にブレイクしましたが、人気度からいえば、クレーム・ブリュ
レはティラミスやナタデココには到底及ばず。それから約10年後にこんな形
でクレーム・ブリュレに再度脚光が浴びるなんて、映画の力は偉大です。
●○● ブラウニーとフォーチューンクッキー ●○●
英国人のシニカルな面を浮き彫りにしたお菓子が、ジュリア・ロバーツと
ヒュー・グラントの共演が話題を呼んだ「ノッティングヒルの恋人」(原題
=Notting Hill)(http://www.notting-hill.com/)でした。米国人の女優
アナ(ジュリア・ロバーツ)を招いた食卓で、最後に一つだけ残ったデザー
トのブラウニーを賭けた「みじめ話自慢」が始まります。一番みじめな話を
披露した人がブラウニーを獲得できるというゲームですが、そこで繰り広げ
られる不幸話がどれもすごい。各自の話に、他のメンバーも容赦なく突っ込
みを入れ、みじめ度はますますアップします。なんとも辛辣な英国流のゲー
ムですが、そのゲームに加わったアナのみじめ話は彼女のキャラクターをし
っかりと描いていました。
ちなみに賭けの対象となったブラウニーは、元々は英国生まれのお菓子。
バター、ココア、砂糖、小麦粉、卵で作るシンプルなお菓子は、メイフラワ
ー号とともに米国に伝わり、いまでは米国の家庭の味の一つとなっています。
同じくヒュー・グラントの映画「恋するための3つのルール」(原題=
Mickey Blue Eyes)(http://www.gaga.ne.jp/movie/mickeyb4.html)では、
フォーチュンクッキーがユーモラスな使い方をされていました。アメリカで
中華料理店に入ると、中にメッセージやラッキーナンバーなどが入った
フォーチューンクッキーが配られるのですが、ヒュー・グラントはこれをプ
ロポーズに使おうと決意。従業員に頼んでプロポーズの言葉をクッキーの中
に入れてもらったのですが、肝心のクッキーは別の食卓に届けられ…という
ストーリーでした。
クッキーを焼き上げた後、まだ熱いうちにメッセージカードをはさんで半
分に折れば出来上がりなので、相手に思いを伝えるには良い道具かもしれま
せん。が、この映画のようにくれぐれも渡す相手を間違いないようにしたい
ものです。
●○● 名前はわからないけれど… ●○●
名称不明ながら、非常に印象的だった映画の中のお菓子というと、真っ先
に思い浮かぶのが米国ギャング映画の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン
・アメリカ」(Once Upon A Time In America)です。4人のギャングたち
の子ども時代のエピソードの一つとして、チェリーが乗ったクリームたっぷ
りのケーキが効果的に使われていました。女性にプレゼントするため、なけ
なしのお金をはたいて買ったにも関わらず、彼女を待っている間に我慢でき
ずにそのケーキを食べてしまう少年―。「ちょっとだけ」と思って一口、ま
た一口と食べているうちに結局すべてを口に入れてしまうこのシーンには、
1930年代の貧しい時代において、クリームをふんだんに使ったケーキがどれ
だけ魅力的だったかを思い知らせてくれます。
「ギルバート・グレイプ」(原題=What's Eating Gilbert Grape)
(http://www.asmik-ace.com/GilbertGrape/)に登場するバースデーケーキ
も忘れられません。レオナルド・デカプリオ演じる知恵遅れの少年・アーニ
ーは、彼の誕生日を祝うために姉が作っていたケーキをだいなしにしてしま
います。そこで、兄ギルバート(ジョニー・デップ)が新しくできたスーパ
ーマーケットにケーキを買いに行くことになるのですが、この店は、ギルバ
ートが努める食料品店にとっては脅威的な競合店。ケーキを買う場面を食料
品店の主人に見られ、バツの悪い思いをしたギルバート。家族を抱え、町か
ら出たことのないギルバートの鬱屈した心情にさらに暗い影を落とす印象的
なシーンでした。
この2つのケーキには具体的な名称があるわけではありません。単なるク
リームたっぷりのケーキであり、バースデーケーキです。しかし、映画の登
場人物にとってはまぎれもなく大事なごちそう。クリームが乗った、美しい
色合いのケーキは必需品ではなく嗜好品です。だからこそ、いつの時代もあ
らがえない魅力があるのでしょう。
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