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ドリム
ねえ、クリム。今日はザッハートルテを作ってみない?
クリム
あ、僕も食べたかったんだ、ザッハートルテ。
ドリム
どんなケーキだか、ちゃんとわかってる?
クリム
もちろん! ザッハさんが作ったトルテ、かな?
ドリム
もう、ドリムってば。ザッハートルテはすごーく由緒正しいお菓子なのよ。
作る前に、歴史をちゃんとお勉強しましょ。
クリム
ペロン、今日もよろしくね。
ペロン
ワン、ワン、ワン!
●うそ? 本当? ウィーン会議にだされたとされるザッハートルテ
どっしりとした味わいのこのチョコレートケーキは、ウィーン生まれの世界の銘菓です。欧米の人々はこぞって甘いもの好きですが、このお菓子は彼らにさえも甘すぎると見えて、申し訳程度にしか砂糖を加えずに泡立てた生クリームを添えて食べるほどに重厚な味に作られます。
一説によるとこのお菓子、ナポレオン戦争後を定めるウィーン会議の折、「今までだれも食べたことのないようなものを作るように」とのメッテルニヒ公の命を受けて、エドヴァルト・ザッハーが作ったとされています。が、調べるにこれは、彼の父フランツ・ザッハーが16才の時、1832年に作ったとか。ちなみにエドヴァルトはフランツの次男です。ウィーン会議が開かれたのは1814〜15年ですから、作った人も違うが年代も合いません。多分この方がお話として面白いとして、人々の口の端にのって流れていったのでしょう。ものごとのいわれや逸話にはよくあることです。
さて、そのエドヴァルトは44年後の1876年にザッハーホテルを開き、彼の父の手がけたザッハートルテをホテルの名物としました。
ところが、同じ街のデメルというお菓子屋でも同じものを作り始めました。何でもザッハーの娘とデメルの息子が結ばれてしまったため、作り方が伝わったらしいのです。七年にも及ぶ長い裁判の末、ようやくホテル側の勝訴となりました。その結果デメルは同じ名で売ることができなくなりましたが、何と実際に市民が支持したのは敗れたデメル方だったとか。ウィーン市民の判官びいきによるものか、愛のなせる業(わざ)と容認したためでしょうか。ただ、今はそうした争いもなく、どちらも本家ということで、双方とも大繁盛しています。ちなみに問題のトルテは、ホテル側のは間に杏ジャムをサンドし、デメル側のはそれをしていないだけで、配合や作り方にはほとんど違いはありません。
いろんな逸話ができるほどのこのお菓子、ぜひとも一度ご賞味あれ!
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