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ドリム
クリムはプルーストって知ってる?
クリム
全然知らない。どんな人?
ドリム
マドレーヌが効果的に使われている「失われた時を求めて」という小説を書いたフランス人よ。
クリム
マドレーヌ好きだったのかな。
僕、会ってみたいよ。
ペロンにお願いしちゃおう!
ペロン
ワン、ワン。
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紅茶の浸したマドレーヌの魔力
「私は無意識に、紅茶に浸してやわらかくなった一切れのマドレーヌごと、ひと匙のお茶をすくって口に持っていった」(鈴木道彦訳・集英社)
マルセル・プルーストの長編小説「失われた時を求めて」の一節です。マドレーヌを口にしたした途端、プルースト本人とされる「私」にある大きな変化が起きました。コンブレー(「私」の父親の故郷)で叔母のレオニが日曜の朝にくれたマドレーヌのかけらの味がよみがえり、それが引き金となって、一家で休暇をすごしたコンブレーでの出来事をありありと思い出し、セレブなフランス社会を背景とした長い長い物語が繰り広げられていくのです。
第7編は映画
にもなっています。
20世紀を代表するとされる小説の一つとされる「失われた時を求めて」を書いたプルーストとはいったいどんな人だったのでしょう。
医者の息子として生まれたプルーストは、病弱だったこともあり、少年時代にはコンブレーのモデルとされる村イリエで長い休暇を過ごしました。その後、パリ大学で法律を学んだものの、健康がすぐれず、特に仕事にはつかずに、社交界のサロンに出入りし、いわゆる「高等遊民」的な生活を送っていました。そこで彼は、音楽から美術に至るまで幅広い新美観を磨いていったようです。
小説を書き始めたのは30才を過ぎてから。全7編のうち、5編以降は彼の死後に刊行されていますから、彼は生涯をこの小説に注ぎ込んだといえるでしょう。
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食通を魅了するマドレーヌ
「失われた時を求めて」に登場するマドレーヌを、プルーストは「帆立貝の筋の入った貝殻で型をとったように見えるお菓子」(鈴木道彦訳・集英社)と書いています。その表現通り、マドレーヌは貝殻のような形が印象的なお菓子。形については、スペインの大西洋岸にある聖地サンチャゴ・デ・コンボステーラへの巡礼たちがホタテ貝の殻を携帯用の食器として持ち歩く習慣があり、それを引き継いだとも言われています。
マドレーヌの由来には諸説ありますが、面白くて楽しいエピソードなのはコメルシー説でしょう。コメルシーとはロレーヌ地方にある小さな町。コメルシー出身の女中マドレーヌはある日、仕えていたロレーヌ公が開いた晩餐会で急きょ、お菓子を作って出すことになりました。その時、彼女が焼いたのがふるさとのお菓子マドレーヌ。すっかりこのお菓子を気に入った食通のロレーヌ公が彼女の名を取って「マドレーヌ」と命名したという説です。
真相はわかりませんが、マドレーヌが万人受けする優しい味のお菓子であることは確か。食べ物の記憶はその時とともに私たちの心にくっきりと刻み込まれます。美味しいお菓子であればなおさらのこと。ロレーヌ公と同じように、さまざまな美味を知り尽くした美食家プルーストにとっても、マドレーヌはきっと特別なお菓子だったのです。
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