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クリム
ねえ、ドリム。今回、吉田先生が作ってくれる
のは何のお菓子?
ドリム
アプフェル・シュツルーデルよ。
クリム
またまた難しい名前のお菓子だね。アプフェル
というのはリンゴのこと?
ドリム
よくわかったわね。薄い薄い生地にリンゴをま
いたオーストリアのお菓子なの。ルーツはオス
マントルコの時代なんだって。
クリム
よおし、じゃあオスマントルコの時代へ繰り出
そうよ。ペロン、今日も頼んだよ!
ペロン
ワン、ワン。
●ルーツはオスマントルコにあり
下に敷いた新聞紙の文字が透けて見えるほどの薄さにのばした生地を特徴としているのが、アップフェル・シュツルーデル。オーストリアでは中世の時代から食されている伝統菓子です。シュツルーデルとは「渦巻き」のこと。切り口が「渦巻き」に見えることから付けられた名称です。
アップフェル・シュツルーデルは、シュツルーデルの生地にリンゴのフィリング(具)を散らして焼き上げたお菓子ですが、こね粉を伸ばして具をはさんだり包んだりするお菓子は世界各地に見られます。
代表的なのが、トルコやギリシャ、イスラム文化圏のお菓子、バクラヴァ。
形、手法ともにシュツルーデルによく似ています。それもそのはず、シュツルーデルのルーツはオスマントルコなのだとか。15世紀に東ローマ帝国を滅ばし、地中海一帯を支配したオスマントルコのお菓子が次第にヨーロッパに広まり、トルコやギリシャではバクラヴァとして、ドイツ語圏ではシュツルーデルとして完成したのです。
●
思い思いのシュツルーデルを
シュツルーデルの生地さえできれば、具に何を入れるかはお好み次第。アプフェル・シュツルーデルのほかには、クリーム味のミルヒラーム・シュツルーデルや、けしの実をまいたモーン・シュツルーデルもよく知られています。けしの実というとなにやら怪しげに聞こえますが、古くから食用として利用され、ドイツ語圏では頻繁に利用されている食材です。小さなけしの実をちらすと真っ黒になるため、見た目はちょっとグロテスクですが、風味が良く、なかなかの味。菓子の材料専門店で手に入るけしの実を使うのもよし。もちろん、今回のようにリンゴを使うのもよし。思い思いのシュツルーデルで、オスマントルコから伝来した歴史あるお菓子をぜひ堪能してみてください。
(吉田菊次郎先生著「西洋諸国お菓子語り」(時事通信社刊)より)
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