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お菓子をめぐる冒険コラム

バームクーヘン バームクーヘンのイラスト
クリム バームクーヘンってドリムが大好きなケーキだ
よね。名前の由来、ちゃんと知ってる?
ドリム ドイツ語で木のお菓子という意味でしょう。
クリム なーんだ、知ってるのかあ。じゃあ、いついま
の形になったかは?
ドリム それは知らないわ。クリムは知っているの?
クリム えへへ。僕も知らないんだ。よおし、じゃあ今
回は…。
ドリム わかった。ペロンに連れていってもらいましょ
う ! ペロン、バームクーヘンの歴史を探る旅に
連れていってね
ペロン ワン、ワン。

クリムの紹介お菓子をめぐる冒険 ドリムの紹介お菓子をめぐる冒険 ペロンの紹介お菓子をめぐる冒険
エスターハーツィシュニッテン
●古代ギリシャには原型が完成していた!?
 リングのような切り口が木の年輪を思わせるとしてネーミングされたドイツのケーキ、バームクーヘン。ご存じのように、専用の心棒に流動状のタネをかけ、ぐるぐると回しながら火であぶり、その作業を何度も繰り返しては完成させますが、その原型は古代ギリシャにはすでに誕生していたとか。当時は、パン生地のようなものを棒に巻き付けて焼いていたそうです。
 15世紀半ばになると、ひも状の生地を棒に巻き付けたシュピースクーヘンなるお菓子が登場します。ただし、タネをかけて焼き上げる現在の形になったのは17世紀に入ってから。スポンジケーキが登場した後、流れるような状態のタネをかける形になったのです。
 とはいえ、まだ「木の年輪」のような筋はついていませんでした。現在のような形になったのはいったいいつ頃なのでしょう。
●年輪状の筋がついたのは18世紀以降
 少しずつ手が加えられ、改良が施され、私たちが知るバームクーヘンが完成したのはようやく18世紀に入ってからのようです。製法自体はとても古いのですが、完成に至るまではとてつもなく長い時間を要したケーキ、それがバームクーヘンなんですね。
 日本で大ブレイクしたのは1960年代後半。デパートの名店街がブームを呼んでいた頃、日持ちがする上にこわれにくく、地方にも配達できるバームクーヘンは大変な人気を呼び、お中元やお歳暮として、普段のおつかい物として引っ張りだこになりました。「幸せの年輪」をうたい文句に結婚式の引き出物としても人気を呼びます。
 いま日本人のほとんどが「バームクーヘン」というドイツ語を知っているのは、この一大ブームのおかげともいえます。長い時を経て、バームクーヘンは日本人の舌にすっかりなじんだケーキとなったのです。

(吉田菊次郎先生著「西洋諸国お菓子語り」(時事通信社刊)より)