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ドリム
クリムが大好きな夏が本格的にやってきたわね。
クリム
やっぱり夏はこうでなくちゃ。暑い日に食べる
ジェラートは本当においしいよ。毎日でも食べ
られちゃう。
ドリム
そういえば、ジェラートの生みの親がローマ皇
帝のネロだって聞いたことがあるんだけど、ク
リムは知っている?。
クリム
え、あの暴君で悪名高いネロが?よおし、じゃ
あ今日はジェラートの歴史の旅に出かけようよ。
ドリム
ペロン、お願いね!
ペロン
ワン、ワン。
●ジェラートの原型を生み出した暴君ネロのわがまま
日本人にもすっかりおなじみとなったジェラートのつづりは gelato。イタリア語で「氷」を意味する言葉ですが、アイスクリームやシャーベットも含めて、すべての氷菓を指しています。
口の中でとけるあの魅力的な味は、いったいいつ生み出されたのでしょうか。
時は、西暦50年代。古代ローマ帝国の第5代皇帝ネロ時代にさかのぼります。暴君で知られるネロがなんでもこう言ったとか。
「余は暑いぞ。冷たいものを持て」
わがままな命を受けた部下が、足の速い若者をアルプスの奥地や高地に走らせて氷雪を取り寄せて、それに果汁やワインなどを混ぜて飲んだのがそのルーツといいます。ドライアイスがまだ影も形もなかった時代、絶対的権力を持っていたネロだからこそ実現できた贅沢な食べ物、それがジェラートなのです。
●
ジマラ教授の大発見とお姫様のお輿入れがジェラートを進化させた
ネロの時代に生み出された氷菓は、シェークスピアの小説でも有名なヴェニスの商人たちの力を借りて、さらに発展を遂げていきました。商人たちが冷やしたレモネードを売って大評判となったのです。
16世紀に入ると、ジェラートの歴史上、エポックメイキングな2つの出来事が起こりました。一つは、ヴェニス近隣にあるパドヴァ大学の教授、マルク・アントニウス・ジマラのある発見です。16世紀のはじめに彼が発見したこととは、「水に硝石を入れると、その溶解の吸熱作用で水の温度が下がる」という原理。この発見を応用して、ワインや果汁が自在に冷やせるようになり、シャーベットが生み出されます。
16世紀の半ばに入ると、フィレンツェのメディチ家のカトリーヌ姫がフランス王アンリ二世となるオルレアン公に嫁ぎ、このとき、シャーベットの技術がフランスに入りました。これを機に、シシリー出身のフランチェスコ・プロコピオがパリに店を開き、シャーベットだけでなく、現在のアイスクリームの原型となったクリーム入りのシャーベットを売り出し、大成功を納めたのです。
イタリアからフランスへと輸入され、大いなる進化を遂げたジェラート。今度ジェラートを召し上がる時には、ジマラ教授とカトリーヌ姫のことをぜひ思い出してみてください。
(吉田菊次郎先生著「西洋諸国お菓子語り」(時事通信社刊)より)
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