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クリム
ねえ、ドリム。僕たちが大好きなドーナツって、どうして穴が開いているのかな。そもそもドーナツっていつ生まれたんだろう。
ドリム
うーん、時期はきっと昔昔よ。リング状にしたのは、油で揚げる時に早く揚がるからじゃない?
クリム
そうかな。ぼくは手で持って食べやすくするためだと思ってた。
ドリム
その説も捨てがたいわね。そうだ、ペロンに案内してもらいましょうよ。さあ、ドーナツが生まれた時期とリング状の起源がわかる場所と時間へーー
ペロン、お願い!
ペロン
ワン!
●ドーナツの生まれは
そもそも、ドーナツの起源はオランダ。昔からオランダの家庭では、中央にくるみを乗せた丸い揚げ菓子を作っては、チーズやバターを添えて食べていたのだとか。フェトクッカ、あるいはオリーケイクと呼ばれていた元祖ドーナツは17世紀にアメリカに伝来しますが、そのきっかけはピューリタン(清教徒)が乗ったメイフラワー号でした。
イギリスを出航したメイフラワー号がオランダに立ち寄った時に、ピューリタンたちがドーナツを食べ、製法を学んでいったのです。はじめて食べた揚げ菓子の虜になって、ピューリタンたちはオランダ人に「いったいどうやって作るの?」と熱心に尋ねたに違いありません。
メイフラワー号はやがて目的地である新大陸アメリカに到着。こうしてドーナツはアメリカで普及し、アメリカを代表するお菓子の一つに成長していったのです。
●ドーナツに「穴」があいたのは…
ところで、いつからドーナツはあのリング形になったのでしょう? 有力な説は、アメリカ人が揚げる時間を短縮し、揚げムラを防ぐために真ん中部分に穴を空けたというもの。本当であればなかなか合理的な発想。アメリカ人らしいと思わせる有力説ですが、そのほかにこんな伝説もあるんです。
時は1847年。ニューイングランドの輸送船の船長が生み出したという説。航海中に嵐に遭遇したハンセン・クロケット・グレゴリーという長い名前の船長は、なんとかこの危機を脱しようと、思わず手に持っていたドーナツを舵の棒の先に通して、懸命に船を操縦しました。ドーナツを犠牲にしたその甲斐あって、船長は無事難を逃れることができたとか。それからはずっと中央に穴を空けて作られるようになったそうです。
この事件(?)から100年後の1947年には、現地でリングドーナツ誕生100周年の記念式典が開かれたといいますから、なかなか有力な説なのかも。
さあ、あなたはどちらの説を信じますか。どちらにしても、リング状のドーナツは食べる人をハートウォーミングな気持ちにしてくれるアットホームなお菓子の代名詞。「はじまり」を思い浮かべながら召し上がれ。
(吉田菊次郎先生著「西洋諸国お菓子語り」(時事通信社刊)より)
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