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蒼い空と海がきらめく情熱の大地にフラメンコとギターの音色がこだまするースペイン南部・アンダルシア地方に関するコラムです。

アンダルシア地方の様々な魅力を
パノラマイラストでお楽しみいただけます。
■ アラブ芸術の極致、アルハンブラ宮殿
 スペインの南部に広がる8つの県、それらを束ねているのがアンダルシア州です。紺碧の海、青い空、暑い夏、光と陰のコントラストなど、日本人がスペインと聞いてイメージする多くの要素を兼ね備えているのがこのエリア。フラメンコや闘牛もこの地方が本場です。
 フランシスコ・タルレガが作った名曲「アルハンブラの思い出」を思い出す方も多いかもしれません。ギターのトレモロ奏法が印象的なこの曲は、そのもの悲しい調べが日本人好みなのか、ファンが多い名曲です。
 イスラム文化の影響が色濃く残っているのもアンダルシア地方の特徴でしょう。例えば、イスラム様式のアルハンブラ宮殿で有名なグラナダ。この町は8世紀から15世紀に起きるキリスト教徒によるレコンキスタ(国土回復運動)までイスラム教徒が支配していました。
 そして生まれたのがアルハンブラ宮殿です。イベリア半島最後のイスラム王朝であるナスル朝の時代(1238年)に建設が開始され、14世紀に完成したこの宮殿はアラビア語で「赤い城」を意味し、円天井や絵タイルの壁、床の装飾など随所にアラブ芸術の特有のアラベスク模様が用いられています。なんでもコーランに描かれた天井の楽園を再現しようとして建てられたものなのだとか。キリスト教の建築物とはまったく違うその美しさはアラブ芸術の極致といっても過言ではありません。アルハンブラ宮殿がある丘の下に広がる、グラナダで最も古い街並アルバイシンも必見の場所です。
 8〜11世紀に後ウマイア朝の首都として栄え、バクダット、コンスタンティノープルと並ぶ大都市だったコルドバにもイスラムの象徴である巨大なモスクがそびえたち、アンダルシア州の州都・セビーヤにも、100mの高さを誇るモスクの鐘楼・ヒラルダの塔が残されています。
 ちなみに、このセビーヤこそコロンブスが新大陸発見を掲げて出航した港町。華やかな港からコロンブスの時代の名残を感じ取ることができることでしょう。
■ ガスパッチョの別名は「怠け者のスープ」
 イスラム文化とその後のキリスト教文化が混在した魅力あふれるアンダルシア地方。その名物料理といえるのが、真っ赤な冷たいスープ・ガスパッチョです。
 アラビア語で「びしょ濡れ」のパンを意味するこのスープには、その名の通り、パンが使用されています。トマトやキュウリ、パプリカ、白ワインやオリーブオイル、ガーリックなどといっしょにミキサーでかければ簡単に出来上がり。スープというよりもサラダに近く、しかもパンもいっしょに取れるわけです。別名「怠け者のスープ」と呼ばれるのも納得の簡単さではありませんか。 こうした冷たいスープが好まれるのは、アンダルシア地方は夏には40度を超える暑さとなるから。夏バテを防いでくれて、かつ栄養もしっかりととれる頼もしいメニューなのです。
 ガスパッチョ以外にもアンダルシア地方には名物料理はたくさん。イワシやイカなどのフリトゥラ(揚げ物)、塩焼きなどの魚料理のほか、野菜に挽肉を詰めたミートボール・アルボンディガスなどもあります。アルハンブラにも付いているこの「アル」という言葉はアラビア語の定冠詞。そう、アルボンディガスとはイスラム系の料理なのです。
 こうした料理に欠かせないのがシェリーです。シェリーというのはワインにブランデーを添加した酒精強化ワインのことで、アンダルシア地方の町、ヘレス・デ・ラ・フロンテラを中心とした一帯がシェリーの発祥の地。そもそもシェリーとはこのへレス(Jerez)を英語読みした名称だとか。
■ 中東から伝わった幸福をもたらすお菓子
 魚料理や肉料理、シェリーなど美味な食が盛りだくさんのアンダルシア地方ならではのお菓子といえるのが、今回吉田先生に作っていただいたポルボロンです。
 いまから約1200年前に中東からアンダルシア地方に伝わったとされるポルボロンはクリスマスや結婚式での定番メニューですが、もちろんいつ食べてもOK。アンダルシアの人々にこよなく愛されている伝統菓子です。お菓子の世界にもイスラム文化が生きているというわけです。
 口の中に入れるとほろほろと崩れてしまうその味わいは一度食べるとクセになるかも。小麦粉をあらかじめ色づく程度に焼き上げて作るからこその食感です。スペインでは、このポルボロンを一個、口の中にほおばって、粉がこぼれないように「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」と3回唱えながら食べると幸福になれるという言い伝えがあるそうです。結婚式に登場するのも幸福を招くという由来ゆえ。食べる人をハッピーにするパワフルな銘菓を通して、ぜひアンダルシア地方の魅力を感じ取ってください。 ポルボロンの作り方 >> 

 
アペリティフ(食前酒)
フランス、イタリアと並んで世界3大ワイン生産国であるスペインのワイン。種類が豊富なうえ、品質にすぐれる。57ヶ所以上の生産地からとれるワインの中には絶品と言われるものもある。アンダルシア地方ではアペリティフとしては、コルドバのシェリー酒風辛口白ワインMontillaがオススメ。
シェリー酒
南スペインが発祥の酒sherryはワインとブランデーの中間的なアルコール度数15゜から22゜位までの食前でも食後でも楽しめる便利な酒です。
チーズや生ハム酸っぱいものなどちょっとしたツマミとのマッチングも良い所からアンダルシア地方ではブレイクタイムに飲まれることが多いようです。
ガスパチョ・スープ
アンダルシア地方の夏の名物、トマトと野菜の冷製スープ。暑い季節や食欲のないときにもさっぱりと美味しい野菜たっぷりのヘルシースープ。ご家庭でも手軽に作れますのでぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
トルティージャ
お好み焼き風のジャガイモ入りオムレツ。オムレツにそら豆と羊の脳味噌と睾丸を加えたグラナダの名物料理。
 
スペイン語で「もろい砂糖菓子」を意味するポルボロン。口溶けの良い食感が魅力の伝統的なお菓子です。
「アンダルシア地方」のことをもっと詳しく知りたい方のためのお役立ちリンク集。
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