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緑の丘陵地と平原、静かに広がる湖、エレガントな古城、そして険しい山々ー。多彩な顔を持つスコットランド地方に関するコラムです。

スコットランド地方の様々な魅力を
パノラマイラストでお楽しみいただけます。
スコットランドの英雄、ウイリアム・ウォレス
 スコットランド地方とは、グレートブリテン島の北3分の2を占める地域。1707年にイングランドに併合されるまでは独立国家として存在していたこともあり、人々の心にはいまでも「国」としての意識が根強く残っています。
 彼らの高いプライドや独立心を知るには、13世紀末にスコットランドの独立をかけてイングランドと戦った英雄、ウイリアム・ウォレスを描いた映画「ブレーブハート」が絶好の教材になるでしょう。メル・ギブスンが監督・主演をつとめたこの映画は、史実をベースに多少のフィクションを織り交ぜ、見事アカデミー賞に輝きました。
 彼の名誉を記念して建てられたウォレス記念塔は、スターリン市内にありますが、この一帯でもっとも有名なのは、スコットランドで最も壮大な城と言われるスターリング城かもしれません。中世の趣あふれる古城です。
ハイランドとローランド
 スコットランド地方にはこうした古城が数多く存在しています。首都・エジンバラ市内にある玄武岩の丘の上に立つエジンバラ城もその一つ。巨大な大砲を要する広大な城塞は圧巻です。エジンバラは街全体が世界遺産にも指定されていて、石畳とレンガ作りの建物が続く町並みは訪れる人を中世の時代へと誘うかのように、中世の雰囲気を色濃く残しています。
 エジンバラには、エリザベス女王のスコットランド公式居所であるホリルードハウス宮殿やエジンバラ王立植物園など美しい見所がたくさん。タータンチェックのキルト(巻きスカート風の民族衣装)を着て、バグパイプを演奏する男性の姿をあちこちで目にすることもできます。スコットランドと聞いて誰もが連想する光景ですが、その意味では、最北の都市・インヴァネスに広がるネス湖も見逃すことはできません。1933年に撮影された写真で世界の人々の注目を集めた、あのネッシーが住む(?)湖です。
 インヴァネスは、氷河に削られた山々やフィヨルドなど、ダイナミックな景色が印象的な北部のハイランド(高地)にあり、スコットランドの南部には丘陵地帯が広がり、たくさんのゴルフ場を抱えるローランド(低地)が続きます。このハイランドとローランドの対照的な自然風景も大きな魅力。自然の持つさまざまな表情を満喫できるのがスコットランド地方なのです。
左党と甘党、ともに満足!?
 複雑に入り組み、多彩な顔を持つスコットランド地方ではその寒冷な気候のため、植物などが完全に分解されないまま堆積し、ピートと呼ばれる泥炭を形成しています。このビートこそ、ウイスキーの製造に欠かせない材料。スコットランド地方で100種類以上もの豊かな香りのモルトウイスキーが作られているのは、独自の厳しい自然のたまものでもあるのです。
 左党だけではなく、甘党をも満足させるお菓子があるのも、スコットランドのうれしいところ。今回、レシピをご紹介しているパウンドケーキのほかにも、すでに日本にすっかり定着したスコーンも、約200年前にスコットランドで生まれました。
 スコーンは、バターとストロベリージャム、クロッテッド・クリームをぬって食べるのがスコットランド流。スコットランドで「クリーム・ティ」と言った時、スコーンにクロッテッド・クリームとジャムを添えたミルクティのことを言うのだとか。ジャージー種の牛乳からつくられた、コクのあるクロテッドクリームは、スコーンにはなくてはならない重要な味のパートナーなんですね。
 このほか、バターをたっぷりと使った、さくさくとした食感のショートブレッドもスコットランドで誕生しました。スーパーでよく見かける、赤いタータンチェック柄のパッケージに入った「Walker」ブランドのショートブレッドはスコットランド産なのです。ショートブレッドの材料は、バターとグラニュー糖、薄力粉、塩の4つだけ。シンプルかつ個性的な味は、スコットランドらしい素朴な味わいと言えるかもしれません。
 料理では、お子さんが大好きなスコッチエッグもスコットランド生まれ。ちょっと変わったところでは、羊の肉や臓物にオートミールを混ぜ、香辛料で臭みを取って、型に詰めて蒸し上げた料理、ハギスがあります。材料を聞くと「?」という印象ですが、食べるとなかなかイケる味なのだとか。
 このハギスをスコットランドの人々は、シングルモルトウイスキーをかけて、ウイスキーをちびちび飲みながらつまんでいます。モルトウイスキー天国のスコットランドの本領発揮のスタイルではないでしょうか。 バンドケーキの作り方 >> 

※ 次回はスペイン/アンダルシア地方です。お楽しみに!

 
スコッチ・ウィスキー
スコットランドで製造されるウィスキーでピートによる独特の香りがあります。スコットランドには、100を越える蒸留所があり、その8割はハイランド地方。他のウィスキーとブレンドされずに瓶詰め、出荷されるものをシングルモルト・ウィスキーといい、個性豊かな味わいが珍重されます。
スモークサーモン
一度食べたら忘れられず、固定ファンの多い「英国スモークサーモン」。元々、スコットランド産のスモークサーモンはキャビアの代わりに世界三大美味のひとつに数える人もいるくらいです。丁寧に燻製されたサーモンからはまろやかなスモークの中にシェリー酒の香りがほのかに漂い、上品な美味しさを際立てます。
ハギス
スコットランドの代表的な料理、ハギス(ちなみに、スコットランドの発音だとウィーイス)は素材の組み合わせによりいろいろのなバリエーションがある。基本的には羊の胃袋(水でよく洗ったもの)の中に、肺や心臓と肝臓のミンチ、タマネギのみじん切り、インスタントではない良質のオートミルなどを詰め、塩、胡椒を加えてボイルしたもの。付け合せやソースなどは一切なしでお皿に盛られて出されるのが"正統的"だとされている。日本でもスコットラド料理店では食べられるようです。
 
素朴な味わいで世界中の人々に愛され
るパウンドケーキ。フルーツやバター
をたっぷり使ったスコットランド生ま
れのお菓子です。
「スコットランド地方」のことをもっと
詳しく知りたい方のためのお役立ちリン
ク集。
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