| ■トスカーナ地方の魅力があふれた新作映画 |
トスカーナ地方と聞いて、あなたは何を連想しますか? 一番多い答えは、フィレンツェやルネッサンスという言葉かもしれません。あるいは、ウフィツィ美術館やピサの斜塔でしょうか。いずれにしても、イタリア中央部よりもやや北西に位置するトスカーナ地方には世界遺産がたくさんあり、見どころも味わいどころもいっぱい。まさに観光のメッカです。
人を惹きつけずにはいられないトスカーナ地方の魅力を存分に教えてくれる新作映画が、「トスカーナの休日」です。映画の随所には、イタリアのスローフードが盛り沢山。好みは人それぞれですが、私の場合、もっとも印象に残ったのは、自家製のリモンチェッロでした。
これは、レモンを皮を使ったリキュールで、食後酒の一つ。イタリアには、食事の後に呑む食後酒がたくさんあるのです。食事そのものだけでなく、食事が済んだ後の時間や余韻まで楽しむとは、イタリア人に食にかける情熱を思い知らされます。
「トスカーナの休日」は、200万部の大ベストセラーとなったフランシス・メイズの著書「イタリア・トスカーナの休日」をベースにしていて、原作のにはレシピも紹介されています。もちろん、食のシーンも満載です。読後にお腹が空いて、イタリア料理を食べたくなる「おいしい」一冊です。 |
| ■フィレンツェが登場する映画あれこれ |
「トスカーナの休日」の例に見るように、トスカーナ地方を舞台にした映画はこれまでにもたくさん製作されてきました。
いくつか挙げてみましょう。いまや映画史に残る悪役ヒーロー(?)と化したレクター博士が登場する「ハンニバル」、映像の美しさ、出演している俳優たちの美しさに思わず見とれてしまった「眺めのいい部屋」、メリハリのきいた往年のロマンス映画「旅愁」ー。日本映画なら、「冷静と情熱のあいだ」があります。いずれもトスカーナ地方を代表する都市フィレンツェの魅力をあますところなく描いていました。
ただし、それぞれにフィレンツェの趣が異なるのが映画の面白さ。猟奇的殺人を描いた「ハンニバル」に登場するフィレンツェは、重厚な歴史、荘厳な建築物が常軌を逸した希代の犯罪者・レクター博士にふさわしく見えたから不思議です。
ちなみに、この映画の中に登場するサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局は、実在のお店。13世紀に生まれた世界最古の薬局には、かぐわしい香りの石鹸や香水が揃っています(日本にも支店があり)。
レクター博士はいったいどんな香りを好んだのか。そんな探索気分を喚起させてくれるのが映画鑑賞の醍醐味でもあります。あなたはどの映画のどのフィレンツェをお好みですか? |
| ■トスカーナ名物のドルチェはこんなにある! |
フィレンツェだけでなく、トスカーナ地方には訪れてみたい都市がいっぱい。例えば、シエナです。名物菓子がたくさんあるシエナは、トスカーナ観光コースには必ず盛り込まれている人気の町です。
どんな菓子があるのか、紹介しましょう。まず、カントゥッチです。ビスコッティという名前で日本でも定着している、カンパンに似た固焼きのビスケットといえばわかりやすいでしょう。トスカーナ特産のアーモンドを使い、完全に水分が飛ぶまで焼き上げてあるので、噛みごたえ充分。このカントゥッチは、コーヒーやヴィン・サントと呼ばれる甘い食後用のデザートワインに浸して食べるのがシエナ流。ちなみに、ビスコッティとはビスケットの総称です。
パンフォルテもシエナの銘菓の代表格。ナッツや砂糖漬けのフルーツを砂糖、小麦粉、蜂蜜で練って飴のように固めたお菓子です。シエナには、このパンフォルテのお店はたくさんあり、それぞれに味が微妙に異なるとか。
それから、アーモンド、蜂蜜、オレンジの香り豊かなマジパンのお菓子リッチャレッリもシエナのお菓子としてはずすことはできません。しっとりとした柔らかさも魅力ですが、味はかなり甘めです。
このほか、トルタ・デッラ・ノンナ、おばあちゃんのトルタと呼ばれるパウンドケーキも挙げられます。生地にカスタードクリームをサンドして、松の実をトッピングして焼き上げたシンプルさが、まさに「おばあちゃんの味」なのでしょう。もう一つ、栗の粉にオリーブオイルやナッツ類を入れてオーブンで焼くだけのトルタ・カスタニャッチョも、シンプルさでは負けていません。
これらは、シエナの名物菓子であり、いまではトスカーナ全域に定着しているトスカーナ菓子でもあります。いかにトスカーナがドルチェの宝庫であるかかがよくわかりますね。
今回、吉田菊次郎先生に作っていただいたズコットは、シエナではなく、フィレンツェ生まれのドルチェです。数あるトスカーナのお菓子の中でも、知名度は抜群。神父様がかぶる帽子を意味する名称、ドーム型のユニークな形状、材料のバランスの良さは、一度食べると忘れられなくなるはず。
イタリアンレストランのドルチェの定番ですが、自分で作ると、よりトスカーナ地方が身近に感じられるのでは? ぜひ挑戦してみてください。 ズコットの作り方 >> |
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次回、イタリア/シチリア地方です。お楽しみに! |
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