| ■音楽と芸術、食の宝庫 |
ウイーンはオーストリアの首都の名前であり、9つある州の一つの名称でもあります。もっとも東に位置するウイーン州には、ユネスコの世界遺産にも指定されたヴァッハウ渓谷(ドナウ川クルーズの中でももっとも美しいスポット)もあり、観光客を引きつける要素やスポットには事欠きません。
ウインナコーヒー、ザッハトルテ、ワインといった食の数々。ハプスブルク家の宮殿や国立オペラ座などの美しい建築物…。その街並みの美しさゆえに、これまで数々の映画の舞台にもなってきました。「会議は踊る」「第三の男」「アマデウス」「エゴンシーレ」等など、傑作が多いのは芸術の都・ウイーンのなせる技でしょうか。
中でも、忘れられないのがウイーン市内のプラター公園にある大きな観覧車が登場する「第三の男」です。完成から百年以上もたつ観覧車に乗れば、映画史に名高い天下の悪役ハリー・ライム(演じたのは名優オーソン・ウェルズ)の気分とウイーンの美しい眺望を同時に楽しめることでしょう。 |
| ■ヤオゼの習慣 |
ウイーン地方はおいしいスイーツが多いことで知られる地域です。
私たちの生活に中に溶け込んだお菓子も少なくありません。例えば、チョコレートのスポンジ生地にアプリコットジャムを塗り、全体をチョコレートで覆って、生クリームと一緒に味わうザッハトルテ、独特の形のクグロフなどが挙げられます。クロワッサンやシュトーレン、サヴァラン、クイニーアマン、ブリオッシュといった、卵や牛乳、砂糖をたっぷりと使ったパンも、実は19世紀にウイーンからフランスにやってきた「ヴィエノワズリー」(ウイーン趣味という意味)。ウイーン生まれのお菓子やパンは、歴史上、重要な役割を果たしてきました。
お菓子に欠かせないパートナーがコーヒーです。ウイーンの人々は、午後におやつの時間=ヤオゼ(Jause)を設け、コーヒーとお菓子をいっしょに楽しむのが一般的。時間にすれば、午後4時ぐらいでしょうか。おやつの時間にしっかりと名前がついているなんて、いかに日々の暮らしの中に浸透しているかの証拠でしょう。
ウイーン子たちは、ヤオゼを楽しむためにカフェハウスに繰り出し、お茶とお菓子を満喫します。カフェハウスといっても、気軽に利用できるエスプレッソカフェ、菓子専門店を併設したカフェコンディトライ、ウインナワルツのコンサートや生演奏のあるコンツェルトカフェなど、目的に応じていくつの種類に分かれています。
お菓子好きは、ぜひカフェコンディトライへー。ザッハトルテで有名なデーメルやカフェザッハなどがこのタイプです。もちろん、こうした有名どころ以外にも、たくさんのカフェハウスがあふれているのがウイーンの素晴らしさ。1,000種類以上もあるとされるウイーン菓子の魅力はカフェハウスにあり、なのです。 |
| ■枢機卿の衣装に似たカーディナルシュニッテン |
さて、今回吉田菊次郎先生に作っていただいたのは、ウイーン銘菓の一つ、カーディナルシュニッテン。名前を聞いただけではぴんとこないかもしれませんが、白いメレンゲ生地と黄色のスポンジ生地を交互に搾り出して焼き上げ、コーヒー風味やキャラメル風味の生クリームをはさんだこのケーキの実物を見れば、「あ、食べたことがある」という人はきっと多いのではないでしょうか。
ちなみに、カーディナルとは「枢機卿」を、シュニッテンとは「棒状に長く作ったもの」を表します。枢機卿が着用するストライプの衣装に色合いが似ていることから付けられた名前だとか。ケーキに模されるなんて、なんて美しい衣装なんでしょう!
もちろん、ウイーン菓子ですから、コーヒーとの相性は抜群。煎れたての美味しいコーヒーとカーディナルシュニッテンで、素敵な「ヤオゼ」をお楽しみください。カーディナルシュニッテンの作り方 >> |
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※ 次回、ドイツ/シュヴァルツヴァルト地方です。お楽しみに! |
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